ページ内移動ナビゲーション
  1. ナビゲーションへ移動 (アクセスキー 1)1
  2. 本文へ移動 (アクセスキー 2)2
  3. カテゴリーごとのナビゲーション・関連リンクへ移動 (アクセスキー 3)3
  4. サイト補助説明(ご利用規約、個人情報について、サイトの使い方)のナビゲーションへ移動 (アクセスキー 4)4

コラムサブスクプラットフォームが生まれるまで

サブスクビジネス

2020/03/16

わずか数年のスパンで、ビジネストレンドが変化していく今の時代。 多くの企業が導入をはじめているのが、サブスクリプション型のビジネスモデルです。(以下、サブスクビジネス)

当社ではさまざまな企業のサブリクリプションビジネスを支えるため、2018年6月より、クラウド型の管理プラットフォーム「Smart Billing」の開発に着手しました。

サブスクビジネスを支援するSaaS(Software as a Service)を完成させるためには、顧客情報や商品情報などのデータ管理から、契約、請求などのバックオフィス業務まで、幅広くカバーするノウハウと技術が必要となります。

オンライン処理だけでなく大量の処理量が求められるバッチ処理も考慮する必要があるため、通常は開発のハードルが高く、期間もコストもそれなりにかかります。

しかし当社では、NECのパッケージソフトである「Netcracker」をベースとし、通常の2分の1以下の開発期間で2018年11月にサービスの提供をスタート。
なぜ短期間で「Smart Billing」のサービスを実現できたのか、開発の裏側をご紹介します。

「モノ」から「コト」へ、ビジネスモデルの転換期

他の業界に先駆けてサブスクビジネスに取り組んできた、通信業界。NTTコムウェアではNTTグループの基幹業務システムへSIerとして長年にわたって携わり、多くの企業を支え続けてきました。

「料金を計算して請求する」仕組みや、それに紐づく顧客情報/サービスオーダーの管理、契約以後スムーズにサービス提供が可能なシステムの構築から保守運用までを、トータルでサポートしてきた自負があります。

「モノ売り」から「コト売り」へと変化しているビジネスモデルと、当社のノウハウや技術にはシナジーがあるはず――そう考えた私たちは、より多くの企業のビジネスを支援するべく、サブスクビジネスをサポートするSaaSの開発へ着手しました。

未知数だった、サブスクリプション管理SaaSの開発

しかし「Smart Billing」開発にあたり、技術的な壁は大きく3点ありました。

1点目は、技術者そのものの確保。 当初、私たちはデファクトスタンダードであるパッケージ「Netcracker」を用いてSaaSを構築することで、高機能なサービスを安価かつ早期に提供することを目指しました。
しかし「Netcracker」は国内での導入事例がほとんどなく、ドキュメントなどは全て英語のみ。そのため、パッケージの全容を理解できる技術者の確保が、最初のハードルとして立ちはだかったのです。

2点目は、まだ特定の業界以外では黎明期であったサブスクビジネスの世界で、管理SaaSに必要なサービス要件が不明確だったこと。
開発当初は提供されているSaaSが世の中にほとんどなく、どのようなSaaSであれば通信業界以外の企業のニーズを満たすことができるのか、手探りの状態でした。

そして3点目は、開発期間の問題です。
利用企業の利便性を向上させるためには、あらゆる業務範囲をカバーする必要がありました。しかしすべての機能を自社開発していては、膨大な時間がかかってしまいます。

サービスを世の中に送り出すタイミングが遅れてしまうと、機会損失につながりかねませんでした。

社内でも初めての事例。アジャイル開発で着実に要件を確立

私たちはまず技術者の課題をクリアするために、NTTグループの大規模料金系システム開発を経験してきた技術者のノウハウを活かすことにしました。

それら熟練技術者のアサインに加え、「Netcracker」の知見を持つNEC技術者と協力での開発体制を構築することにより、早期にパッケージソフトに対する理解度が高められ、短期間での開発を実現することができたのです。

また、サブスクリプション管理SaaSに必要とされるサービス要件の定義については、料金系システムの知識をベースに構想を立て、通信以外のサービスを取り扱うNTTグループのお客様へヒアリングを実施。
顧客のニーズを確認しながらアジャイルで開発を進めることにより、サービスのクオリティを高めていきました。

そして広範囲の業務をカバーするため、NTTグループのアセットをうまく活用していきました。NTTファイナンス株式会社の「回収代行サービス」や自社の「EasyDo」※1(クレジットカード決済)などの決済サービスと連携することで、開発期間を短縮しながらも、お客様の利便性を高めることに成功したのです。

SoR(System of Record)の領域をSaaSとして組み上げたのは、社内でも初の事例でした。

※1 「EasyDo(イージードゥー)」は、NTTコムウェア株式会社の登録商標です。

サブスクリプション管理SaaSのスタンダードを目指して

2019年2月に「Smart Billing」の販売を開始すると、サブスクビジネスの検討をしている企業の皆様から、数多くのお問い合わせをいただくことができました。
業種、業界問わずさまざまな企業の方からニーズを伺うことができ、このSaaSが社会に広く価値提供できるサービスであることを確信しています。

段階的な従量課金など多様な料金体系の実現に加え、基幹業務システムをはじめとしたお客様が運用されているシステムとの連携もカバーしているため、そのようなご要件を持たれているお客様からは、他に対応できるサービスやベンダーはないとご好評いただいています。

「Smart Billing」は現在もお客様の要望を取り入れながら、毎日のようにサポート範囲の拡張に取り組んでいます。例えば、今取り組んでいることの一つに、IoTプラットフォームとの連携があります。

IoTプラットフォームとは、センサーで取得したデータをデバイス経由でクラウド上に可視化することができるSaaSのことで、「Smart Billing」の課金・請求管理機能と連携させる構想を進めているところです。

IoTプラットフォーム「Things Cloud」と連携することでどんなことができるのかについては、こちらの記事をご覧ください。

『モノ』のサブスクリプション、増えてます

自動車、家具・家電、ファッションをはじめ、近年、一般消費者向けに「モノ」のサブスクリプションを提供する企業が増えてきました。これ…

詳細はこちら

他にも、AIを活用した高度な分析によりアップセルやクロスセル候補、解約予兆を見出すような、お客様の売上拡大に寄与するサービスの実装にもチャレンジしています。

今後は他社のSaaSとの連携も視野に入れ、バリューチェーンを拡大しながら、「Smart Billing」を中心としたSaaSプラットフォームを作り上げる。 それによって、サブスプリクション管理のスタンダードを確立し、新たなビジネスに取り組むお客様のビジネス変革や、生産性向上に貢献していきたいと考えています。

記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。