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コラムなぜ世の中の料金体系はこんなにわかりにくくなってしまったのか

サブスクビジネス 

2021/03/31

利用者の立場でサブスクリプションサービスを眺めたとき、誰しも一度は、複雑な料金体系に戸惑う経験をしたことがあるでしょう。その状態に陥る理由は、自分にとってどのプランを選択するのが最適なのかすぐに判断できないからです。

しかし、サブスクリプションサービスを提供する側にとって、様々な料金プランを準備することは必要不可欠の施策といって過言ではありません。複雑に見えたとしても、サービスを継続的に利用している顧客のニーズに柔軟に対応できる料金体系を用意することが肝要です。

世の中に氾濫する複雑な料金体系

商品を買う時の大きな判断材料になるのは、やはり「価格」です。まったく同じ商品であれば、どの店で買うのが得か、あるいはいつ買うのが得かというように、多くの人にとって「最安値」はとても気になるところです。

ところが店舗間の競争が激しくなるにつれて、価格の判断はだんだん難しくなっていきます。A店のほうが価格は少し安いけれど、B店のほうが多くのポイントをもらえる。あるいはC店で買えば設置・工事費が無料になるといったように、商品そのものの価値に、付加価値をつけることで購入における動機が変わってくるのです。

さらに、サブスクリプションサービスになると、価格はより複雑化します。同じ商材であっても各社によって、あるいはプランによってサービス内容が変わるからです。これがモノ売りとサブスクリプションサービスとの最大の違いであり、単なる価格競争とはベクトルが異なる競争が起こることになります。
たとえば洋服をモノ売りする場合、前述したとおり同じ商品であれば、当然顧客は安い方を選びます。これに対してサブスクリプションで洋服をレンタルする場合は、借りられる期間や頻度・個数、選べる種類、返却時の送料や汚してしまった際の保証など、洋服自体の価値だけでない様々な条件を加味した上で契約するかどうかを判断します。

事業者はこれらの要因から損益を算出して値付けを行います。さらに、多様な顧客ニーズに応えるサービス展開やマーケティング戦略で競争優位性の獲得を狙うとなれば、必然的に料金体系は複雑化せざるを得なくなっていくのです。

料金プランから見るサブスクリプションサービスの成功要因

ただし料金体系が複雑化した場合も、それが顧客にとっての「わかりにくさ」となってはなりません。事業者は常に「提供価値が正しくわかりやすく顧客に伝わっているか」「提供価値は顧客のニーズに合っているか」「提供価値に見合った価格か」を考慮した価格体系を整える必要があります。
実際、顧客に提供する価値に見合った値付けではなく価格競争だけにとらわれてお得なプランを作ったところ、結局採算が合わなくなり途中で頓挫してしまうケースもあります。

例えば、紳士服を主力商品としている大手アパレルメーカーでは、プロのスタイリストがコーディネートしたスーツとシャツ、ネクタイそれぞれ数点を毎月定額で貸し出すサブスクリプションサービスに乗り出しました。出だしは非常に好調で、新規受付を一時的に停止しなければならなくなるほど利用希望者が殺到する大盛況ぶりでした。
ところがこのアパレルメーカーは、サービス開始から1年もたたないうちに撤退してしまいました。
どの顧客も同じの一本鎗の定額借り放題ではなく、借りられるスーツの種類や受けられるサポートに応じた複数の価格体系を用意し、顧客に対して各プランのメリットや価値がきちんと伝わるプロモーションを行っていれば、この結果は変わっていたかもしれません。

一方で同じアパレルの分野でありながら、サブスクリプションサービスで順調に成長を続けている事業者もあります。
こちらの事業者の最大の特徴は、長期契約になるほど月額料金が安くなり、なおかつより多くの特典を受けられる料金プランを用意していることです。 具体的にはトライアルが1か月、レギュラーが3か月、ゴールドが6か月、プラチナが12か月という契約期間となっており、契約期間内での解約やプラン変更はできません。
顧客はこのサブスクリプションサービスでどのプランを選択しているかというと、まずレギュラーで入会し、気に入ったら契約更新のタイミングでゴールドやプラチナに変更する人が多いようです。ちなみにトライアルは入会時しか商品を選ぶことができず、レギュラー以上のプランで用意されている様々な特典も利用できないことから、選択する人はあまりいません。

この事業者の成功要因は、提供するサービス価値をわかりやすく、納得感のある形で伝えたことにあります。レギュラー、ゴールド、プラチナといった非常にわかりやすいプランの名称やランク付けも奏功しており、顧客は幅広いプランから自分に合ったサービスを容易に選択できることを魅力に感じています。

顧客との継続的な関係性を築くためのポイントを詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。

サブスクの継続的な売上向上に必要なこと

顧客との継続的な関係を築くために実施すべきこととは。多様なニーズに応えるためには継続的に顧客と…

詳細はこちら

複雑な料金体系に柔軟に対応するシステム基盤

上記のようなサブスクリプションサービスの成功例から言えるように、複数の料金プランが存在することに対して、利用者は必ずしもそこに複雑さを感じるわけではありません。
むしろ自分のニーズをより良い条件で満たしてくれる選択肢であり、そのサブスクリプションサービスの価値として受け止めてくれます。

裏を返せば各料金プランの提供価値がきちんと伝えられているか、顧客が選びやすい料金体系になっているかが重要となります。
簡単なことではありませんが、利用者に楽しんで選択してもらえるわかりやすい複数の選択プランを用意できるかどうかが、サブスクリプションサービスの命運を握っているといって過言ではありません。

様々なプランを用意し、さらに顧客の利用動向に合わせてその価格やプランを改善していくという取り組みがサブスクリプションビジネスにおいては非常に重要になります。

この時、価格改定やプラン変更等の運用面においてもスピーディーに対応できることが必要です。自分たちのビジネス戦略を体現する複数の料金プランを柔軟かつ迅速に展開し、確実にコントロールしていくために、サブスクリプションに最適な商品・契約管理のシステム基盤を整えることで、常に最適なサービス提供の実施が実現できるでしょう。

NTTコムウェアでは、様々な料金体系にも柔軟かつ簡単に対応可能なサブスクリプションプラットフォーム「Smart Billing」を提供しております。料金体系の考え方や価格改定時の対応等も含めてサポート可能ですので、ぜひご相談ください。